アルバムレビュー CO2『Tokai』
ではお付き合いくださーい。
アルバム概要
収録曲レビュー
1.Monday Night
ボッ、ボッ、ボッ、ボッ、という不気味なベースから始まるのですがこの時点でなんとも言えないフリーな空気が匂ってきています。
次第にパーカッションやサックスが参加してきてベースを軸とした演奏が続きますが、そのうちにベースが4ビートになると徐々にリズムが整いはじめます。
曲自体はシンプルなブルース進行なのですが、とにかく終始ベースがヤヴァイ。早川岳晴ベースはいつもスッゲエ音を出してます。でっかいゴムの玉をブリンブリンはじくような。個性的すぎてカッコいい。
そのベースに絡むドラムもグルーヴ満点。正直ベースとドラムだけで何杯も飯が食えそうな演奏なのですが、そこにど迫力のテナーとアルトが乗っかると場が熱くなる。熱すぎる!
さらにリズムが軌道に乗った頃に突如現れるエレキギター。狼の遠吠えのような音でシンプル but 変態なフレーズで切り込んできます。(どうやってこんな音出しているんでしょうか?)コレによって曲全体の不穏さが増大されドロドロなグルーヴの渦がグルグルぐるぐる。
ベースも歪ませたりともう爆裂ブルースへと変貌。
正直この曲は2本のサックスがあまり印象に残ってないんです。ギター、ベース、ドラムのオリジナリティが爆発しすぎてそっちにしか耳が向かないです。
本当にみなさんすごすぎる。
最後はなんかしんみりと終わりますがそれもなんか面白い。
全体的に重いグルーヴなんですけど、楽器の音がロック感強めで結構聴きやすいので1曲目にふさわしいですね。
大好きな曲だ!
2.Unite
2本のサックスによるテーマから始まります。
このテーマがシンプルかつポップなフレーズでいいですね。
そしてギターの音がお見事にイカれてます。(どうやってこんな音出してるんだ?)
キメのフレーズからのまずはテナーソロ。
ロングトーンで切り込んできます。
めちゃカッコいい。ジャズというよりはフリーなロック。細かな音を切れ味鋭くリズムにのせています。音が爆裂してます。
続いてアルトのソロ。
軽快に細かくフレーズを重ねつつ、だんだんとフラジオなんか入ってきたりして感極まり高揚させます。とてもスムーズなフレーズ展開ですが熱さも十分。
そしてギターソロ。終始イカれた変態音でどこにいくのか分からないヨッパライのようなフレーズを繰り出し続けます。この変な音色とフレーズのマッチングが抜群でこの曲の印象を決定づけています。
演奏は盛り上がりを見せつつフェードアウト。まだまだ聴いていたいのに!ベースソロが始まりそうな気配がチラッとありましたが何かの事情でカットなのでしょうか。残念。
ドローン系というかボーーーんと薄暗い地下を連想させる雰囲気。
ギターがディレイやリバーブを巧みに使いこの雰囲気を演出しています。
ギターを弾く加藤崇之氏は基本変態的な音色使いのイメージなんですが、時折現れるブルージーなディストーションフレーズを聴くと確かな演奏力が分かるので振り幅すごすぎです。ギターにしか耳が向かん。
4.Tattata
まさにタイトルのような『タッタタッ』って感じの曲です。
冒頭のテーマ後すぐドラムがフューチャーされ凄まじい連打を決め込んでいます。スカッと抜けるスネアが爽快。
中盤はフリー的な要素が多い曲で激しく荒々しく緊迫した演奏が続き、最後にテーマに戻ります。2本のサックスが吠えまくっていて、カッコいい。テーマに戻りそうで戻らない焦らしもワクワクドキドキさせます。
5.Tejinshi No Rumba
ベースが冒頭からバブイブイいわせてます。
曲はなにかのテーマソングみたいな曲調で、マイナーなコードが怪しさを感じさせます。
とても渋さ知らズっぽい曲です。
テナーのソロが素晴らしい。流石の一言。
6.Hallelujah
ラストはメロディが美しいスローテンポの曲。
演奏者は5人だけなのに壮大でスケールのデカい音空間になっています。
それぞれのソロは渋く、熱いのですが、その中でもやっぱりテナーのソロが心に染みてきますね。
音1つ、フレーズ1つに周り全てを包み込むようなスケールのデカさを感じます。
懐がデカい音に包まれてこのアルバムは終焉。
ラストにふさわしい曲です。
1番好きな曲
まとめ
ベースがぶっ飛び、ギターはイカれ、ドラムは暴れん坊。
そんなオリジナリティだだ漏れのバックを従えフロントで鳴る2本のサックスは圧巻です。