読書感想文 『「この字いいね」と言われる字が書けるようになる本』進藤康太郎
先日、図書館で借りる本を物色していたところなんとなく目に入ったこの本。中身を見てみると松井秀喜の『僕には夢がある』という文字が飛び込んできました。その字はもう言葉では表現しきれない魅力に満ちていたのです。
この後出てきますが僕はめちゃくちゃ字が下手です。そのため今まで字が上手くなる!系の本をいろいろ借りてみたんですがなかなか効果はありませんでした。なのでこういう系の本はあまり借りる気は無かったのですが、この字を見た瞬間この本を読みたい!と思ったのです。
再度内容を確認すると、どうやら字が上手くなるのを目的としたものではなく自分の字を見つめなおすという内容の本でした。
読んでみた感想ですが、面白かったです!ぜひ紹介できたらと思います。
それではお付き合いくださーい。
概要
読書感想文
この本を読み始めてまず感銘を受けた点は『手書きの文字は自分自身の表現活動』ということ。
手書きの文字には自分という存在の情報をたくさん詰め込むことができるし、またその文字を見る相手も様々な情報を読み取ることができる。なので手書き文字は一種の表現活動であって例え自分だけが見るメモ書きにしても大切にするべき、という考えの上に本書は書かれており、今までそのように自分が書く文字を大切に扱ってこなかった僕は猛省しました。
確かに著者の考えは正しいと思います。
冒頭で紹介したとても魅力的だと感じた松井秀喜の文字には彼の人間性が包み隠さず表れています。真っ直ぐに書かれた線からは真っ直ぐな信念、整理整頓された配置からはストイックさ、なによりも素直で癖がない字形には氏の少年のような純粋さが感じ取れます。キレイな大人の文字という感じではないですが、とても気持ちが良い清々しい字です。
その他にも野口英世のお母さんや、高橋尚子、山口智充などいろんなジャンルの方の文字が紹介されていますが、みなさん面白い字でなかなか個性的。特段上手いというわけではないのですが愛着が湧くものが多かったです。もちろん著者が良い!と思うポイントが僕には理解できなかったり、まさに表現(アート)なんだなと思いました。
著者は著名人の手紙などを見て分析するだけでなく臨書も行いその人物がどのような人格かを探るそうです。
書道などの臨書は知っていましたがプライベートな手紙などを臨書し書き手を探るというのはなかなか面白い発想だと思います。僕はそんなこと思いもつかなかったです。
手書きの文字についてそこまで突き詰めることができるというのはとても素敵なことだと思います。カッコイイです。
その他には文字を書くにあたってより魅力的な文字になるよう、とめ、はね、はらいなどの基本的なものから線の長さや角度、字の形、バランスなどのアドバイスが続きます。
自分の字にどこかコンプレックスを感じ、そのためにいい字が書けない人が多いのだと著者は伝えます。
そのコンプレックスをだんだんと取り除いていけば誰にでもいい字は書ける!そんな風に解説する本は少ないため、著者の優しい人柄がわかる考え方だと思いました。
ここで僕の手書きの字を紹介をしようと思います。
見たらわかりますが完全なる汚文字です。
現在の職場になってから字を書く機会が増えたのですが、社内でもなかなかの評判をいただいております。
この本を読んでから少しきれいになったと思うので、僕の過去から現在までの汚文字ツアーをしたいと思います。
~~~ツアー開始!~~~
まずは2015年。
現在の職場に転職した直後の文字です。
書く頻度が多い「御見積お願い致します。」という字で比較します。
スキャンのせいで粗くなっていますがそれ以前に汚い文字です。
これではだらしない印象しか与えれません。
愛嬌もクソもない感じです。
続いて2016年。
悪化しています。
『御見積』に関しては判読不可能です。
基本的な字の形自体は同じですが、かなり右肩上がりのため人生順調だと思われそうですね。実際は地に足がついてない頭フワフワ状態です。もうどっか飛んで行っちゃいそうです。
さらに2017年。
『御見積』はちょっと復活しましたが、今度は『し』と『ま』がくっついちゃってます。そして安定の右肩上がり。前年よりは落ちついていますね。そういう問題じゃないですが。
さあ今年(2018年 本書を読む前)です。
前年までと比べるとちょっといいですよね!?
実は本書を読む前から少し気を付けるようにしていたんです。
下手でもいいから丁寧に書こうという意識を持ちました。
でも字の形とかは以前と変わっていませんが。
そして本書読了後がこちら!
どうでしょう!?
以前に比べればなかなかいいんじゃないですか!?
少なくとも読みやすくはなってますよね。ちょっとかわいらしい文字になった気もします。
下手くそだとは思いますが少し意識を変えるだけで結構文字は変わりました。
これからはもっと丁寧に、読む側の気持ちになって字を書いていくつもりです。
著者も書いていますが自分の字というものはすごく頑固です。ちょっとずつでもいいので良い方向にいけばうれしいなあ。
余裕ができてきたらもっと個性的な感じに変えたりしてみたいですね。文字を自在にアレンジしてみたい。
~~~~ツアー終了!~~~~
文字を書く上でのアドバイスの次は速書き方などあれこれと続きます。どれも面白い内容でした。
ひと通り読み終えてみて改めて『自分の字』の大切さ、アイデンティティを感じました。
僕も普段の業務だと早さ優先で殴りつけるかのように書いてしまいがちです。
ですがもっとこの文字を受け取った相手の気持ちを考えなければいけないと思いますし、またその文字からは『自分』という存在が表れているということに気が付くことができました。
とても為になる本だと思います。
著名人の肉筆がたくさん掲載されている点も面白かったです。
あの人こんな字なんだあ~とか普段知ることができないですからね。
著者のように臨書してみるのも面白そうです。
この本のおかげで自分が書く文字に対して向き合うきっかけになりました。あれこれ考えながら文字を書くのは楽しく今回良い本に出会えたなと思います。
まとめ
何気なく手に取った本でしたが想像以上に得ることが多く読むのが楽しかったです。
自分が書く字が嫌いだ!もっとイイ感じの字を書きたい!っと思っている方はぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。
文字がきれいだとイイ男、イイ女にみえるしね!
僕ももっといい感じの字を書いてタイトルの通り「いいね!」って言われるようになりたいと思います!
ではまた!
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